富山県魚津市 T・S様 住宅外壁の塗り替え事例をご紹介します
富山県魚津市にお住まいの、T・S様ご自宅の外壁塗り替え工事をさせていただきました。掲載のご許可をいただきましたので、塗装事例として掲載させていただきます。
外壁は窯業系サイディング、木を随所に使っている和風住宅です。和風住宅にお住まいの方の参考になるかと思います。T・S様、ご協力いただき、どうもありがとうございました。
富山県魚津市 T・S様 住宅外壁の塗り替え事例
塗り替え前の状況 ~ 外壁
外壁は全体的に、きれいな状態を保っていました。ツヤはあまりなかったので、防水効果は切れてきている模様。
一番風雪にさらされている、西側の外壁に欠けがある状態でした。この箇所が一番傷んでいる部分。欠けが小さめなので、補修できる範囲です。
塗装前の状況 ~ トタン部分
水切りや庇(ひさし)などのトタン部分は、色がはげてツヤのない状態でした。
特に目立ったサビや傷みもありませんでしたので、塗り替えをすれば仕上がりも美しくなりますし、まだまだ持ちます。
塗装前の状況 ~ 木の部分・軒裏
玄関廻りの柱や腰板や天井、破風など木の部分は、シミやカビなどで汚れている状態でした。
木自体に傷みはありませんので、汚れを落とし、カビや腐食から守る木材保護塗料を塗装すれば、見た目も美しく、耐久性も問題なく仕上がります。
塗装前の状況 ~ ベランダの天井・軒裏
ベランダの天井や軒裏(飛び出した屋根の裏側)には、特に目立った汚れや傷みはありませんでした。
色がくすんできていますが、塗り替えすれば新築同様にきれいになります。
外壁・腰板の洗浄
まず最初に外壁の洗浄をしました。外壁を傷めない特殊な洗浄機を使用しております。あまり長時間洗浄すると、内部に水が入りますので、手早く汚れを洗い流しました。
木の腰板も軽く洗浄。長時間洗浄しますと水が染みこみ、ひよりますのでサッと洗浄しました。
なかなか洗う機会のない網戸も、付けたまま洗浄しております。特殊な洗浄機なので、網戸も傷めず洗浄できます。
下地処理 ~ 外壁のケレン
次に外壁の取れかった部分を、写真の皮すきというヘラで削り落としました。
取れかかった部分を残しておくと、塗り替え後に取れてしまう可能性があります。
外壁に付いている鳥の糞や藻・苔なども、写真のワイヤーブラシという研磨するもので、取り除きました。
汚れが付いたまま、塗り替えますと、外壁ではなく、汚れに塗装していることになります。
その汚れが、湿気などで外壁からはがれた場合、塗装の膨れ・破れなどの原因になります。
下地処理 ~ トタン部分の目荒らし
トタン部分のサビや汚れを落とす、目荒らしという作業を行いました。目荒しは、サビ・汚れを落とすと共に、トタンに細かい傷を付けるためにも行っております。
こうしておきますと、古い塗料・トタンと新しい塗料との密着度がアップします。はがれにくい塗装にするために、とても重要な作業です。
下地処理 ~ 木の破風・軒先の目荒らし
木の破風や軒先を、サンドペーパーを当てて目荒らしをしました。
木の目荒らしは、表面に付いている汚れやカビを落とすと共に、木の表面をなめらかにするためにも行います。仕上がりが美しくなるのと、塗料の密着度もアップします。
下地処理 ~ 木の柱・腰板の目荒らし
木の柱に浮き出てきたヤニを、皮すきというヘラで削り取りました。もちろん柱を傷めないように、細心の注意を払っております。
その後、破風と同様にサンドペーパーを当てて目荒らしを行いました。
表面に付いている汚れやカビを落とし、表面を滑らかにしました。
サンドペーパーを当てると出て来る木の粉が隙間に入って、より滑らかになります。
下地処理 ~ ベランダ天井・軒裏の目荒らし
天井と軒裏のボードも、目荒らしをしました。
汚れを落とすとともに、古い塗料の表面を削り落としました。
細かい傷が無数に付きますので、新しい塗料の密着度もアップします。
下地・防水処理 ~ 外壁西面の釘頭
外壁西面のサイディングを留めている釘の頭部分は、少し欠けたり、隙間が出来たりしていました。
その欠けた部分に、コーキングという固まるとゴム状になる防水材を注入しました。写真の白い点々がそうです。
材質はノンブリータイプの変成シリコンです。このコーキングは、上から塗装もできますし、塗装を汚さないタイプです。
通常の変成シリコンのコーキングは、年月と共に油分が浮いてきて、塗装が黒ずんだ感じになりますが、これはそうならないタイプです。釘頭の防水処理をしておきますと、雨水を防いでくれますし、仕上がりもきれいになります。
下塗り(下地塗装) ~ 外壁西面のシーラー塗装
天井と軒裏のボードも、目荒らしをしました。
汚れを落とすとともに、古い塗料の表面を削り落としました。
細かい傷が無数に付きますので、新しい塗料の密着度もアップします。
下地処理 ~ 外壁西面のフィラー処理
外壁西面の欠けている部分に、フィーラー(乾燥すると硬くなるセメントカチオン系の補給材)処理を行いました。
フィーラーは、ミラクファンドKC-3000(エスケー化研)を使用しました。これは、セメントと特殊アクリルカチオン系樹脂エマルションというものが混合されたものです。
特徴は、下地に強固に密着し、耐ひび割れ性・耐衝撃性・防水性に優れています。乾燥後は、表面が硬くなります。また、5mm程度の厚塗りができます。
フィラー処理した結果、完璧に元通りとはいきませんが、ほとんど目立たなくすることができました。
下塗り(下地塗装) ~ トタン部分のサビ止め塗装
トタン部分の下塗り(下地塗装)は、サビ止め塗装となります。
使用した塗料は、弱溶剤形2液エポキシ系サビ止め塗料ハイポンファインプライマーII(日本ペイント)です。
サビを強力に防いでくれ、なおかつ環境や身体にもやさしい塗料です。
防水・ジョイント処理 ~ コーキングの打ち替え
外壁サイディングの目地は、コーキングという固まるとゴム状になる防水材を、すべて打ち替えました。まずは、古いコーキングを取り除き、コーキングの密着度がアップするプライマーという物を塗ってからコーキングを充填します。
外壁サイディングの目地は、防水と共に外壁の動きを吸収するジョイント機能も担っています。そのため、2面接着という方法で行っております。これは、壁の両端のみ接着して、奥には接着しないという方法です。
コーキングを奥まで注入すると、丈夫になりすぎて振動などで外壁が動く時に、コーキングが付いてこれず、切れてしまいます。
奥に入りすぎないよう、ボンドブレーカーやバックアップ材といわれる物を、コーキング前に入れております。奥に見えるブルーの物がそうです。
材質はノンブリータイプの変成シリコンです。このコーキングは、上から塗装もできますし、塗装を汚さないタイプです。
外壁サイディングの目地は、隙間なくコーキングを充填しなければいけません。
外壁と水切りの間にも隙間はありますが、コーキングで全部ふさいではいけない隙間もあります。
これは、中に吹き込んだ雨水の排水や、空気の流れを確保して湿気を抜くなどの役割をになっている隙間だからです。
写真のように、水がたまりそうな所や、逆流しそうな所のみコーキングをして、他の所はコーキングをしておりません。
上塗り(仕上げ塗装) ~ ベランダの天井・軒裏
ベランダの天井と軒裏は、下地塗装(下塗り)の必要がありませんので、中塗りと上塗りの2回塗りで仕上げました。
刷毛とローラーで、塗り残しがないように塗装しております。
塗装した塗料は、シリコン系樹脂にセラミック成分が入っている水性セラミシリコン(エスケー化研)という塗料です。
環境にもやさしく、耐久性や耐候性も高いのが特徴です。艶消しタイプを塗装しました。
上塗り(仕上げ塗装) ~ 木の塗装
木の部分は、破風・腰板・柱・土台など。
今回は、木材保護塗料 キシラデコールを塗装しました。木の表面に膜を作らす、内部に浸透するタイプなので、木が伸縮しても塗装が割れる心配がありません。傷・雨水・湿気・カビからも守ってくれます。また、防腐機能も付いています。
木の風合いを損なわず、木を守ってくれるのが木材保護塗料の特徴です。
刷毛で、木の繊維の奥まで塗り込むように塗装しております。木の塗装は、すべて2回塗りで仕上げました。
下塗り ~ 外壁の下地塗装
今回塗装した下地塗料は、パーフェクトサーフ(日本ペイント)という塗料です。
密着性が高く、特許出願中の高性能タイプです。
下塗りで使う下地塗料の役割は、主に古い塗装と新しい塗料をつなぎ合わせる、接着剤のような役割を果たします。
この塗料は、窯業系(セメント系)サイディングのために作られています。カビや藻を防ぐ機能や、サイディングの表面や浅い場所ににヒビが入っても、塗装の膜を破らない機能(ヘアーラックに追従性がある)なども付いています。
刷毛とローラーで、塗り残しのないように塗装しました。乾燥を待って中塗り・上塗り(仕上げ塗装)に入っていきます。
中塗り・上塗り ~ 外壁の仕上げ塗装
外壁は仕上げ塗装を、中塗り・上塗りの2回塗りで仕上げました。下塗りとあわせて3回塗りとなります。西面は4回塗りです。
仕上げ塗料は、弱溶剤2液型アクリルシリコン樹脂塗料 ファインシリコンフレッシュ(日本ペイント)という塗料を塗装しました。
汚れが付きにくく、光沢や色も長期にわたり維持してくれる塗装です。また、カビや藻・苔も付くにくく、結露も抑えてくれる優れもの。
刷毛とローラーで、窪みなども塗り残しがないように、角度を変えて確認しながら塗装しました。下塗り・中塗り・上塗りの組合せで、10年以上は持たせるようにしております。
↓下のローラー塗りの写真は、上塗り(2回目の仕上げ塗装)をしている時のものです。
上塗り(仕上げ塗装) ~ トタン部分
庇や水切りは、雨水に常にさらされる部分です。その上、北陸は雪が降りますので、外壁に比べて過酷な環境下にあります。
庇や水切りの塗装は、ワンランク上の耐久性がある塗料を塗っておくと、次回の塗り替え時期を外壁とあわせることが出来ます。
外壁と同じ耐久性の塗料を塗装すると、庇・水切りのトタン部分の塗り替え時期が先に来てしまいます。
ということで、仕上げ塗料は、屋根仕上げ塗料 弱溶剤2液型フッ素樹脂塗料 ヤネフレッシュFという塗料を塗装しました。屋根用の塗料なので、酸性雨や熱・紫外線に対して強いという特徴もあります。刷毛塗りで仕上げました。
この塗料の耐久性は、環境にもよりますが、10年以上の持ちが期待できる塗料です。次回の塗り替え時期が、外壁と同じになるように塗装しました。
塗り替え後の写真
塗装前と塗装後の比較写真
【外観 北面】
【外観 南面】
【玄関廻り】
【玄関廻り 木の天井】
【玄関廻り 木の腰板】
【外観 西面】
【外壁 西面の欠けていた部分】
【木の破風】
【2階 ベランダ】
【2階外壁・トタン水切り】
【トタン庇(ひさし)】
ひと口メモ
コストと効果のバランスが取れるように、なおかつ10年は持つように塗り替えしました。欠けていた西面の外壁も含めて、次回の塗り替え時期が同じになるように、工夫をして塗装をしました。
外壁の目地(ジョイント)には、コーキングがしてあります。コーキングの寿命は約10年。環境により10年以上持つ場合もありますし、10年持たない場合もあります。欠けていた西面同様、定期的な点検が必要です。
2013年9月
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