南砺市 I様邸の塗装事例
南砺市にお住まいのI様より、物置の屋根の塗り替えのご依頼をいただきました。約10年前に外壁塗装もさせていただいております。外壁塗装も10年目なので悪いところも見て欲しいとのご要望でした。
掲載のご許可をいただきましたので、塗装事例として掲載させていただきます。I様のお宅と、同じような状況のお客様の参考になるかと思います。I様、ご協力いただき、どうもありがとうございました。
南砺市 I様邸の塗装事例
塗装前の状況とご相談の内容
南砺市にお住まいのI様より、物置の屋根の塗り替えと、住宅外壁の点検のご依頼をいただきました。
物置はヨドコウの物置でした。物置は、新しく買うと10万円はするので、サビやチョーキング(触ると白い粉が手につく)が出てきたら、塗装しておいた方が長持ちします。
仰るとおり、屋根は端の部分や、角になっている部分にサビが出ている状態でした。
この状態で放っておくと、腐食して端から欠けていき、やがては全体的にサビが広がります。ひどい状態になると、穴が開いてしまいますが、鉄板などで補修することもできます。
外壁は、前回の塗り替えより10年たっていますが、今もきれいな状態を保っていました。
前回の塗り替え時に、耐久性の良いシリコン塗料を塗装しましたので、もう3~4年は塗り替えなくても大丈夫だと思います。
玄関廻りの木部も、少しきれいにされたいということで、桟木を塗装させていただくことになりました。
破風板は、全体的に塗料が薄くなっており、一部ハゲている所もありましたので、塗り替えた方が良いです。
2階部分の外壁は大丈夫でしたが、瓦と2階の外壁の間に入っている、水切りのトタン板は、ツヤがなく塗装の防水効果が切れている状態でした。
この水切りのトタン板は、塗り替えた方が良いです。
1階の外壁の下の部分は、一部外壁が欠けているところが見受けられました。
雪の積もる地方では、このような状態になりやすいです。この状態を放っておきますと、外壁が腐食して雨水が入ってきます。補修する必要があります。
また、その下の水切りのトタン板も、塗料がハゲてきていますので、こちらの方も塗り替えた方が良いです。
その他の1階部分の外壁は、大丈夫でした。塗り替えの必要はありません。
出窓部分を囲っているトタン板は、全体的にツヤがなく、塗料の防水効果が切れている状態なので、塗り替えた方が良いです。
灯油タンクは、サビも出てきており、また触ると白い粉が手に付くチョーキング現象が見られました。
こうなりますと塗装には、防水効果はありません。灯油タンクも、塗り替えたほうが良いです。
I様とご相談の結果、物置の屋根と、上記チェック項目の塗装箇所を塗らせていただくことになりました。
その他、屋根瓦と屋根瓦の継ぎ目(谷の部分)の銅板が、だいぶひどい状態になっているとのお話もありましたので、一度屋根瓦の点検も兼ねて、知人の瓦工務店に依頼することになりました。
欠けている部分の補修と塗装をします
まずは、1階の外壁の欠けている部分の補修を行います。
段差を埋めるために、フィラーと呼ばれる隙間を埋めるための材料を、壁に塗り込みます。下の水切りに、フィーラーが付かないように、テープを貼って行います。
なるべく段差が目立たなくなるように、丁寧に塗り込むのがポイントです。
写真には写っていませんが、フィラーを塗り込む前に、元の外壁を強くする強化剤を塗装しています。これにより元の外壁が強くなり、水も吸い込みにくくなります。
乾燥すると、とても硬くなります。
左の写真は、乾燥後の状態を撮影したものです。
乾燥したフィラーの上から、シーラーと呼ばれる下地塗料を塗装します。
シーラーを塗装することにより、仕上げの塗料と、外壁の密着性がアップして、ハゲにくくなります。
下地塗料のシーラーが乾燥してから、補修の仕上げの塗料を2回塗ります。
1回目の仕上げ塗装後、日を開けて2回目を塗装します。
部分塗装なので、古い塗装の部分と、色やツヤは完全には一致しませんが、極力目立たなくなるように、塗装します。
ここまでしておけば、3~4年後の塗り替えまで、十分に持ちます。
このかけた部分を放っておきますと、欠けている部分が広がったり、そこに雨水が染み込んだりして、腐食がひどい状態になります。特に北陸地方は雪が積りますので、なおさらです。外壁の腐食がひどい場合は、塗り替えできず、張り替えになってしまう場合があります。
フィラー(隙間を埋めるための材料)で、埋めれるくらいの欠けでしたら、塗り替えできます。
水切り(トタン板)や灯油タンク、物置の屋根のサビ止め塗装をします
水切り(トタン板)や灯油タンク、物置の屋根も、塗装前の下地処理をします。
まず、サビを落とすために、サンドペーパーでこすります。
その後、サビ止め塗装をします。
左の写真は水切りです。赤くなっているのが、サビ止め塗装後の水切りです。
出窓を覆っているトタン板も、サンドペーパーでこすり、サビ止め塗装しました。
同じく灯油タンクもサンドペーパーでこすり、サビ止め塗装をします。
灯油タンクは、パイプなど細かい部品も多いですが、全部サビ止め塗装を塗っておきます。
左の写真は、物置の屋根です。
ヨドコウやイナバの物置も、金属製(スチール製が多いようです)ですので、サンドペーパーでこすり、サビ止め塗装をします。
サンドペーパーでこする目的は、サビを落とすことと、金属の表面に細かい傷をつけて、塗料の密着性を高めることにあります。
仕上げ塗装は2回塗りで完成です
下地の処理が終わった後は、仕上げ塗装の2回塗りで完成です。
破風板は、隙間の空いている所を防水処理して、仕上げ塗装をします。
破風板を塗り替えますと、建物全体が引き締まって見えます。
玄関の庇の桟木も塗り替えました。明るい雰囲気に仕上がりました。
水切りのトタン板も、きれいに仕上がりました。この水切りのトタンに穴が開いたり、
めくれ上がってしまいますと、建物の中に雨水が入ってきます。とても重要な部分です。
出窓のトタン板は、今回はライトブラウン系の色に塗り替えました。
灯油タンクは、ダークブラウンで仕上げました。
1階の外壁下部のかけていた部分は、違和感なく仕上がりました。
水切り板もダークブラウンに塗装しております。
ヨドコウ物置の屋根は、グレーで仕上げました。これで物置の寿命を長くすることができます。
ヨドコウ物置の雨どいが壊れてなくなっていましたので、雨どい替わりのチェーンも取り付けました。
チェーンを下げておくと、雨水がチェーンを伝って落ちて行くので、周囲への飛び散りが少なくなります。
新しく雨どいを付けるより、安く出来ます。
屋根瓦の補修工事も完成しました
塗装の補修と並行して、屋根瓦の補修も行いました。
屋根瓦と屋根瓦の継ぎ目(谷の部分)の銅板が、劣化していましたので、一度瓦をはぐり、銅板を交換します。
この部分は、一番雨水が集中するところで、銅板に穴があいてしまうと、間違いなく雨漏りします。
屋根瓦を点検したところ、棟の部分(屋根のてっぺんの部分)が傷んでいました。
一度棟の部分をバラして、きちんと締めな直している時の写真です。
隅棟(軒先近くの棟)も組み直し、隙間はきちんと屋根瓦用のセメントでふさいでいます。
今回、銅板をステンレスの板に交換しました。これで屋根瓦の補修も完了です。
一度、屋根に登って、補修箇所や掃除の確認をして、無事にすべての工事が完了しました。
ひと口メモ
外壁は、傷みやすい箇所とそうでない箇所があります。傷みやすい箇所は、大抵は端の部分です。外壁の端や、外壁と屋根瓦の境目の水切りなどです。今回の補修工事は、傷みやすい部分のみの工事でした。
新築や塗り替えの際は、5年~10年に一度くらい点検して、傷んだところだけ補修しておかれることをオススメします。そうすれば塗り替えから塗り替えの間で、雨漏りをしたり、傷みがひどく塗り替えできずに壁の張り替えになってしまうことを防げます。結果的に工事金額が安くすみます。
2011年4月