写真の道具は、木の洗いに使う、ほうきに似た道具です。
木の洗いとは、木の表面や内部に染みこんだ汚れや灰汁(あく)を、洗い流す昔ながらの技法です。
木の繊維に沿って、刷毛塗りするように使います。
歴史ある古い道具ですが、最近は使う職人が減ってきています。
しかし、この道具を使わないことには、本来の洗いの「味(風合い)」を出すことは出来ません。
木の洗いは、主に料亭や旅館や武家屋敷など、純和風の木造建築が多くある城下町にて行われています。
杢野塗装の初代は、金沢の城下町で塗装職人としての修行をしてきたので、二代目の私も塗装職人の技術として、木の洗いを引き継いでいます。
木の洗いは、木を長く大切に使うための技術でもあります。
新しい木の魅力もありますが、思い出の染みこんだ歴史ある木も、魅力的です。歴史ある木を交換したくない場合は、汚れだけを洗い流す、洗いをおすすめします。